生活環境

メリーランド州

メリーランド州(Maryland, MD)は、アメリカ東海岸に位置しており、首都であるワシントンDCに隣接しています。Old Line Stateの愛称が示すとおり、アメリカ50州の中でも最も古い州のひとつであり、州都であるアナポリスはアメリカ最初の首都が置かれました。また、メリーランド州は産業構造をはじめ、地理、気候、人々の暮らしぶりなどが多様性に富むことから、”アメリカの縮図”ともいわれています。州最大の都市であるボルチモアでは豊富な海産物が楽しめ、ワシントンDCのお金持ちが住むと言われるベセスダではショッピングや世界各国のレストランが楽しめます。神奈川県が同州と友好提携を締結していますが、ワシントンDCを東京とするならば、そこで働く人たちのベッドタウンであるメリーランド州は、客観的にも日本における神奈川県に近い存在、とイメージすることができます。

学校があるカレッジパークからワシントンDCの中心街までは地下鉄で20分、車で30分ほどの距離にあります。また、郊外にはブランドショップが立ち並ぶショッピングセンターやアウトレットモールも多く、買い物好きも満足できる都市です。多くの生徒が住む近郊のモンゴメリー郡は、全米の中でも富裕層が多く集まる群の1つで、修士以上の学位を持つ住人の数が国内で最も多い郡の1つとして知られています。そのため、公立学校のレベルも高く、多くの優秀・有名な私立学校も存在し、教育に大変力を入れている地域です。日本人コミュニティも充実しており、配偶者などが気軽に通える英語学校などもたくさんあります。また、モンゴメリー郡に位置する多くの町はワシントンDCのメトロシステム内にあることから、車がなくてもダウンタウンに足を延ばせるのも魅力の一つです。

なお、メリーランド州は全米で唯一、運転免許互換制度(日本の運転免許証を保有していれば、無試験でメリーランド州の運転免許証が発行される)が運用されているため、この点で渡米後の生活セットアップが非常に楽で便利です。

ワシントンD.C.

また、世界銀行で働く日本人が中心となって、開発・途上国支援を学ぶために”ワシントン開発フォーラム”というものが運営されています。営利・非営利入り乱れた中で、現在の開発現場の現状・課題をスペシャリストから学ぶことができ、途上国ビジネスやマイクロクレジットなどに興味がある方にとってはまたとない学習機会だと言えます。若手主体の勉強会も定期的に開催されており、そうした場を利用してのネットワーク構築は、MBAとは別の視点で、他では得難い有意義な資産となるはずです。

政治イベントが日々開催されており、アメリカの意思決定をある意味まっさきに肌身で感じることができる場所です。各国の外交官を身近に感じる機会も多く存在します。またIMFや世界銀行などの国際機関も多くあり、世界政治の動向を感じつつビジネスを学ぶという稀有な経験ができます。日本ではNYのWall Street が経済、金融の中心地として知名度が高いですが、ワシントンDCのK-streetも周囲に有名政府関係機関、Law Firms、Consulting Firmsが本部を構え、政治・経済の中心地としてこちらでは名高いものがあります。

ワシントンDCエリアに本社を置く著名企業としては、Fortune 500 企業である AOL, Constellation Energy, Coventry Health Care, Host Hotels and Resorts, Legg Mason, Lockheed Martin および Marriott International、またMcCormick & Co., Northrop Grumman,そして W.L. Goreなどの大手メーカー各社もワシントンDCエリア・メリーランド州に本社を持ちます。また、NASAや、グラミン銀行のファウンダーとして知られるアショカ財団なども所在しており、非常に多様性に飛んだ企業・組織が集中しています。

​また、ワシントンDCにある日本大使館やその他機関でも多くの日本人が働いていることもあり、ワシントンDCおよび周辺エリアには多くの日本食店があります。さらに、国際機関があるワシントンDCでは、多国籍料理を堪能することができます。また、隣接するバージニア州にある大規模なコリアンタウンや学校周辺の韓国系スーパーなどで、日本食材も簡単に手に入ります。このように都会の喧騒を味わえる一方で、四季折々の風景(春の桜や秋の紅葉など)や、ゴルフ(大学のゴルフコースでは数十ドルでプレイできます)やハイキングなどのアウトドアを楽しむこともできます。

日本からのアクセス

ワシントンDC、メリーランド周辺には三つの大きな空港、ロナルド・レーガン・ワシントン・ナショナル空港(略称DCA)、ダレス国際空港(略称IAD)、ボルチモア・ワシントン国際空港(略称BWI)があります。

レーガン空港は、ワシントンDCの中心地からポトマック川を渡ってすぐの所に位置しており、ワシントンエリアから地下鉄でアクセスできる唯一の空港です。そのアクセスの良さから、渡米後のUS国内旅行で多く利用することになります。

一方、主な国際線はダレス国際空港に発着します。ここはワシントンDCから約40km西にあり、東海岸におけるユナイテッド航空のハブ空港として機能しています。

また、ボルティモア空港はワシントンDCから約50km北東にあり、サウスウエスト航空とエアトラン航空のハブ空港となっています。駐車場代が安く(1日$8~)、車と飛行機での周辺旅行にとても便利な空港です。

・直行便利用
成田からANAまたはUSの直行便でダレス国際空港へ。空港からはシャトルバン($30程度)、バス($3程度)、タクシー($60程度)などの交通手段を使いDC中心地(ホテル、メトロ駅等)へ。
 

・経由便利用 (ANAではなくJALマイラーの方はこちらに該当)
日本主要空港からJAL等、上記以外の航空にてニューヨーク、シカゴ等のUS主要都市へ。そこからUS国内線でレーガン空港へアクセス。空港からはメトロ($2程度)にてDC中心地の駅へ。


近隣大学との交流

ワシントンDCエリアは全米でも有数の学術都市で、数多くの大学が存在しています。具体的に名前を挙げれば、メリーランド大学以外に、Johns Hopkins University, Georgetown University, George Washington University, American University, Howard Universityなど著名大学も多く、そうした大学との交流の機会もあります。MBA以外に強みを持つ大学も多いので、他の学問領域の人々と接点を持てるということも魅力の一つと言えるでしょう。特にGeorgetown Universityの法律や外交政策、Johns Hopkins Universityの医学、国際関係学など、世界でもトップクラスの評価を得ているスクール・学部も多くあります。日本からの学生も多く通っており、そうした学生達と交流する機会も多くあり、知的刺激を感じる一つの機会となるでしょ

近郊都市

メリーランドからは州内の他の街だけではなく、NYを含むアメリカ有数の観光スポットにも車でアクセスできます。また、日本と比べれば非常に安い料金設定である国内線を使えば、東海岸主要都市の多くに週末旅行として非常に気軽にアクセスすることもできます。

・ボルティモア
ボルティモアはメリーランド州の最大都市です。カレッジパークから車で1時間弱の距離で、お台場のモデルとなったインナーハーバーの景色は素晴らしく、他にも歴史的建造物が残るエリアがあるなど、日帰りの観光先としては最適です。

・アナポリス
メリーランド州の州都でもあるアナポリスは、ワシントンDC周辺とは全く違った趣で、アメリカによく見られる観光地とは異なる美しさを有しています。ソフトシェルクラブ等、メリーランドの誇るシーフードも満喫することができます。ボルティモア同様、カレッジパークからは車で1時間弱の距離にあります。

・フィラデルフィア
かつて首都になったこともある、古都の雰囲気を残しつつも活気の溢れる都市です。車で約2時間半程度の距離にあり、観光の他に、ペンシルバニア大学との交流の機会も存在します。

・ニューヨーク
言わずと知れたUS経済、金融の中心地NYへは、車でも約4時間、電車でも2時間半ほどで着くことができます。また、高速バスも多く運行されており、運賃も往復で30ドル程度です。日帰りで、キャリアフェアに参加したり、週末に泊りがけで遊びに行ったりと、最も身近な都市といえます。

・ボストン
マサチューセッツ州の州都であるボストンはアメリカでもっとも歴史の古い街の1つに数えられます。ワシントンDCエリアからは飛行機で1時間半ほど、運賃は安い時期なら$100少々と非常に低い設定となっています。美しい街並みを楽しみながら、Harvard University, MIT等USの超名門校を訪問し、当校とは違った雰囲気を味合うのも良いでしょう。また、当地では毎年Boston Carrer Forum という日本人留学生向けの就活イベントも開催されています

ボルティモア

アナポリス

フィラデルフィア

ニューヨーク

観光・娯楽

・プロスポーツ
ワシントンDCはアメリカの4大スポーツ+サッカー、全てのチーム本拠地を構えています。アメリカ文化の醍醐味の一つであるスポーツ観戦を十分に楽しむ環境があります。大学の学生自治会組織がチケットを手配しての試合観戦などもあったり、アメフトからアイスホッケーまで非常に身近に楽しむことができます。

ワシントンDC:アメフト(レッドスキンズ)、バスケ(ウィザーズ)、アイスホッケー(キャピタルズ)、野球(ナショナルズ)、サッカー(DCユナイテッド)

ボルティモア:アメフト(レイブンズ)、野球(オリオーズ)

・スミソニアン博物館群
計18の博物館、美術館、国立動物園からなるスミソニアンは、世界最大の博物館群です。スミソニアン協会は1億3,650万点もの文化遺産や標本を所蔵し、これを米国で公開しています。また、研究機関としても知られるスミソニアン協会は、公共教育やサービスのほか、芸術・科学・歴史分野での奨学金制度といった、さまざまな活動に力を注いでいます。 スミソニアン博物館群は、首都ワシントンDCのワシントン記念塔から国会議事堂にいたるナショナル・モール地区に立ち並んでおり、そのすべてを無料で見学することができます。

・ワイナリー
建国に貢献したトーマスジェファーソンはアメリカワインの父と呼ばれており、彼が住んでいたシャーロッツビルには多くのワイナリーがあります。またシェナンドーと呼ばれるバージニアの西側にも多くのワイナリーがあり、楽しい時間を過ごせます。またシェナンドーには日本人にありがたい温泉もあります。

スポーツ観戦

スミソニアン博物館

ワイナリー

居住環境

・治安

キャンパスがあるカレッジパークは、大学を中心にコミュニティが形成されている典型的な大学街で多くの学生が居住すると同時に、低所得者層が流入しやすいという特徴もあります。しかしながら、深夜の一人歩きを避ける等節度ある生活をしている限りは特に治安に問題はなく、Smith Schoolの学生も多数大学周辺に住んでいます。また、より良い生活環境・治安を求める日本人学生の多くは、日本と同レベルの治安であると言えるDC北西エリア、モンゴメリー郡などから通学しています。

・家賃

家賃は、他のアメリカの都市部とほぼ同程度の価格帯(単身者で1,600ドル~2,200ドル、家族帯同で1,800ドル~3,000ドル)で、一般的な慣例に従い安全性と家賃の相関性が高くなっています。

物件が豊富にあり、また日本人向けの不動産エージェントも複数いるというのは日本人が多くいるワシントンDCエリアならではの特徴です。 

・日本人学生の主な居住エリア
1. Bethesda(ベセスダ)

Bethesdaは、キャンパスから約10マイルほど西にある地域で、ダウンタウンにはブティックや国際色豊かなレストランが立ち並び、周辺は閑静な住宅地が広がっています。治安は極めて高い水準にあります。また、NIH(国立衛生研究所)、Lockheed Martin本社、Marriott International本社等があります。Potomac, Chevy Chaseとならび、高級住宅地として知られており、北部(North Bethesda)には大型ショッピングセンターMontgomery Mallがあり買い物客でにぎわっています。NIHに多数の日本人研究者が在籍しているため多くの日本人が居住しており、日本食などが手に入る小型店もいくつかあります。大抵のプレスクール、小学校に日本人の児童が通っています。
– 現在1名の日本人在校生が居住
– 学校まで車で30分程度​

2. Silver Spring(シルバー・スプリング)

キャンパスから約5マイルほど西にある地域です。Discovery Channelの本社があります。地下鉄の駅を中心とするSilver Springのダウンタウンは近年再開発が進み、魅力ある新興住宅街です。Whole Foods, Giant, Safewayなどのスーパーも駅周辺に立ち並び、生活にも便利な環境です。平日は大学キャンパスへの無料シャトルバスも利用可能です。

– 現在1名の日本人在校生が居住

– 学校まで車で20分程度(大学シャトルバスで35分程度)

3. WashingtonDC市内

大学のあるCollege ParkとDCは隣接しているため、アメリカ人学生も含め、DC市内から通学する学生もかなりいます。中でもU Street付近やColumbia Heights地区等は近年再開発が進み、治安の改善と共に若者向けの店が集中的に出店したことで、非常に魅力的な街へと変化しています。発達したメトロ・バス網のおかげでDC市内の観光名所へのアクセスもよく、DC市内に住みながら学業だけではなくアメリカンカルチャーも十分満喫することができます。

– 現在1名の日本人在校生が居住

– 学校まで地下鉄・大学シャトルバスで40~50分程度

4. College Park(カレッジパーク)

大学の本拠地。学生が多いだけあり家賃相場も低く財布に優しい環境が提供されています。最大の利点は学校まで非常に近いことです。また留学生を中心にSmithの学生も多く住んでいますので、苦楽を共にする、という点でも魅力的です。なお、Van Munching Hall最寄にあり、MBA生をはじめとした多くのUMD大学院生が居住するGraduate Hills等への居住を希望する場合は、渡米前からアプライする必要があります。
– 現在日本人在校生の居住なし
– 学校まで徒歩10分~

5. Rockville(ロックビル)

キャンパスから約15マイルほど西にある地域です。Bethesdaのようなメトロ駅を中心にしたダウンタウンは存在しませんが、Red LineのWhite Flint駅~終点のShady Grove駅の周辺にマンション、住宅地が点在しています。地区を縦断するRockville Pikeに沿って、多くのショッピングセンターが立地しており、生活上必要なものはほとんど揃います。治安の心配も全くありません。
– 現在日本人在校生の居住なし
– 学校まで車で30分程度​

Bethesda

Silver Spring

U Street

Rockville